同意とペースの尊重|無理をしない・させない
心地よい性の土台は、いつでも『同意』と『ペースの尊重』です。無理をしない・させないことの大切さを確認しましょう。
同意とは何か
同意とは、お互いが納得して『したい』と思える状態のことです。雰囲気や流れに押されてではなく、本心から望んでいること。そして同意はいつでも撤回できます。途中で『やめたい』と思ったら、止めていいのです。
無理をしない
気が乗らない、痛い、まだ心の準備ができていない——そんなときに無理をする必要はありません。自分の気持ちと体を最優先にしてよいのです。『断る』ことは、わがままではなく権利です。
無理をさせない
相手に対しても同じです。相手の『嫌』『痛い』のサインを尊重し、急かさない・強要しないこと。安心して『やめて』と言える関係が、結果的に深い信頼と快感につながります。
同意が快感の土台になる
『嫌なときは止められる』という安心は、リラックスの前提です。同意とペースの尊重は、倫理であると同時に、感じやすさの土台でもあります。
長い関係や夫婦のあいだでも同じ
付き合いが長い、結婚している。そういう関係ほど「断るのは悪い」「応じるのが当然」という空気ができやすくなります。でも、同意はその日ごとのものです。前に応じたから今日も、ということにはなりません。
気持ちが乗らない日に「今日はくっついて寝るだけがいい」と言えるかどうか。それが、関係の中で自分の体を守れているかの一つの目安になります。
ペースが合わないことの寂しさ
相手のほうが求める回数が多い、反対に自分ばかり求めている。どちらの側にも、言えない寂しさがあります。合わないこと自体は珍しくありません。
どちらかが我慢して合わせ続けると、寂しさは別の形でたまっていきます。回数の話より、「どんなふうに触れ合えたら満たされるか」を話すほうが、お互いに歩み寄りやすくなります。
よくある質問
Q. 夫に断ったら不機嫌になります。
断られた側が寂しさを感じるのは分かります。それでも、不機嫌で応じさせようとするのは、あなたの気持ちを置き去りにすることになってしまいます。落ち着いた時間に「断るのは、あなたが嫌いだからではない」と伝えたうえで、どうしたら二人とも楽か話してみてください。
Q. 断ると関係が悪くなりそうで言えません。
あなたの『嫌』を尊重しない関係こそ、見直すべきものです。安心して断れることが、健康な関係の条件です。
Q. 雰囲気を壊したくなくて我慢してしまいます。
我慢した性は、心にも体にも負担を残します。『今日はここまで』と言える関係を育てることが、長い目で二人のためになります。
『嫌』と言えること、『やめて』が通じること。それが安心の土台です。私は、無理をさせてまで進めることに、何の意味もないと思っています。
参考情報
- 日本産科婦人科学会「婦人科診療ガイドライン」(一般向け情報)
- WHO「Sexual health and its linkages to reproductive health」2006
- Masters & Johnson「Human Sexual Response」1966(性反応サイクルの基礎)
- 本コラムは公開情報をもとに編集部が作成したものであり、特定の医療機関・製品を推奨するものではありません。
パートナーがいるあなたへ
感じにくさや「イケない」悩みの根っこには、体より先に、緊張や言えない寂しさがあることが多いです。技術の話の前に、気持ちの置き場所を読んでみてください。