スマホを置いて、ぼーっとする15分
何も見ない15分が、頭の中を片づけてくれます。
すきま時間は、すべてスマホに吸われている
電車の待ち時間、レジの列、湯船の中、寝る前。
かつて「ぼーっとする時間」だった場所は、今ほとんどスマホに置き換わりました。
退屈は駆逐されました。
その代わり、頭が休まる瞬間も消えました。
起きている間じゅう、何かを読み、見て、反応しています。
頭の中が常に混み合っているのは、当然のことです。
ぼーっとしている脳は、サボっていない
実は、ぼーっとしているとき、脳は休止していません。
デフォルトモードネットワークと呼ばれる回路が働き始め、記憶や感情の整理を進めているとされます。
シャワー中にアイデアが浮かぶのは、この働きによるものと言われます。
つまり、ぼーっとする時間は、脳の片づけタイムです。
これを全部スマホで潰すのは、片づけの時間を奪い続けることに近いです。
頭の中が散らかったままになるわけです。
15分、何も入れない練習
やり方は簡単ですが、最初は難しく感じます。
スマホを別の部屋か、かばんの奥に置きます。
椅子か床に座って、15分、ただ過ごします。
窓の外を見る。
お茶を飲む。
考えごとが浮かんだら、追いかけず、流れるままにします。
最初の5分は、そわそわします。
手がスマホを探します。
それを越えると、ふっと静かな時間がやってきます。
そわそわの正体
スマホなしの時間がそわそわするのは、依存というより習慣の禁断症状です。
脳が、細かい刺激の補給に慣れてしまっています。
でも、この落ち着かなさは数分で峠を越えます。
越えた先の静けさを一度体験すると、「何も見ない時間って、悪くない」と思えるようになります。
退屈は、慣れれば穏やかさに変わります。
ぼーっとできない人への、補助輪
どうしても15分が長く感じる人には、補助輪をおすすめします。
温かい飲み物を用意して、「飲み終わるまで」を時間の器にします。
窓の外や空など、「眺める対象」を一つ決めます。
手持ち無沙汰がつらければ、湯船の中でやります。
お湯に浸かっている間は、スマホが持てないから強制的にぼーっとできます。
形から入ってもいいんです。
何度かやるうちに、補助輪なしでも座っていられるようになります。
ぼーっとした後に、メモを一枚
ぼーっとする時間を終えたあと、頭に浮かんでいたことを一枚だけメモしてみるのも面白いですよ。
仕事の懸案の答え、忘れていた用事、会いたい人の顔。
脳の片づけタイムに浮かび上がってきたものは、あなたの本音に近いことが多いです。
毎回でなくても続きます。
気が向いたときだけ、拾って書き留めます。
ぼーっとする習慣は、自分の本音と会う習慣にもなっていきます。
よくある質問
Q. ぼーっとしていると、嫌なことばかり浮かんできます。
A. 頭の掃除が始まると、まず出てくるのが気がかりの在庫だから自然なことです。浮かんだら「あとで考える」とラベルを貼って、流す練習をしてみてください。どうしてもつらい日は、散歩など軽く体を動かしながらのほうが、ぼーっとしやすいです。
Q. 15分も時間が取れません。
A. 5分でもかまいません。信号待ち、電車の一駅分、お湯が沸くまで。スマホを出さない小さな空白を一日に数回作るだけでも、頭の混雑は変わってきます。長さより、毎日あることのほうが大事です。
Q. ぼーっとする時間と瞑想は違うものですか?
A. 厳密には違いますが、初心者にはほぼ同じ効果があると考えてもいいんです。瞑想は注意を一点に置く練習で、ぼーっとは注意を漂わせる時間です。どちらも「入力を止めて頭を休ませる」点は共通です。呼吸が気になるなら瞑想寄りに、気楽にやりたいならぼーっとでOKです。
一日一回の、頭の空白を
おすすめは、一日一回、どこかに15分の空白を置くことです。
朝のコーヒーの時間でも、帰宅後の着替えのあとでも、寝る前でもかまいません。
その15分だけは、何も入力しません。
続けていると、頭の中に余白がある感覚が戻ってきます。
考えが整理され、気持ちの切り替えが早くなります。
スマホを置くだけの、静かな贅沢です。
今日から一枠、どうでしょうか。
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